2009.10.31.Sat
6th Anniversary @ NEST (宇都宮)
DJ:
Kaoru Inoue
Psychogem aka DJ Hiroaki (ENE)
Chida (ENE)
Tetsuya Yoshida (Thrive/SEEDS AND GROUND)
2009.10.31.Sat
6th Anniversary @ NEST (宇都宮)
DJ:
Kaoru Inoue
Psychogem aka DJ Hiroaki (ENE)
Chida (ENE)
Tetsuya Yoshida (Thrive/SEEDS AND GROUND)
日本の民俗フェチと言える自身の性癖(?)を汲んでもらって、年に一度は必ず、しかも彼の地の「神在月」に招聘してもらっている、島根県は松江市のクラブNaked Space。宍道湖を臨む古風な佇まいの街に似つかわしくないとも思える深夜の牙城が、違和感無く街に溶け込んでいるのは、何かとてつもない暖かさにこのクラブが包まれているからじゃないだろうか。
日本のクラブ黎明期に東京でDJキャリアを積んでいたオーナーの奥井淳くん。DJを辞め世界を旅した後、生まれ育った故郷の出雲へ戻ってその情熱をNaked Spaceに結実した。彼の人柄が箱を熟成させているのだろう。
雲出づる国、水の都、神話上の地、そんな神秘の庭にはディープ・ハウスが良く似合う…というわけで10月24日、山陰各地から来て頂いた皆さま、楽しんで頂けたでしょうか?
パーティー明けは淳くんの出雲の実家に延泊させてもらって蕎麦→酒→温泉→酒といった道楽DAY&NIGHTを楽しみつつ、聖域とも言える出雲の野山、八百万の神々の郷を堪能しました。いつも歓待してくれる松江の皆さん、本当にありがとう。
写真は奥井淳と彼の息子、薫。若干5歳だが無敵の風情。名前が同じということもあり薫君!と呼ばれなつかれている。子供かくあるべし!を体現する陽性のパンクスである。
2009.10.24.Sat
Voy Music @ Naked Space (松江)
DJ:
Okui Jun, Chori
Guest DJ:
Kaoru Inoue
Food:
Chidori Kitchen
取材を終え、渋谷の喧噪を抜けて一路、乃木神社へ。管絃祭と題された雅楽演奏会が開催されている。
実は毎年10月末に皇居にて行われる秋季雅楽演奏会に参加申し込みをしていたのだが、今年は「天皇陛下ご即位20年という慶事」にあたるため申込者多数であったようで、抽選に漏れてしまったため、詳しい方に他所でやっている演奏会について教えて頂いた末、辿り着いた。
国家神道の残り香に触れながら、雅楽の奉納演奏に聞き入っていると、平衡感覚というか、時空の認識力があやうくなってくる。笙による高周波の持続音、リズムがないのにシンクロする打点と演奏、舞い。神前に居るという微かな緊張感。大陸由来で日本の古典音楽だが、明らかに「此処」ではない何処かと繋がっている感。永遠に古びない音。
帰りに久々にタワー渋谷店へ行ったら、2007年にサラーム海上らと行ったシンガポールWOMAD(ピーター・ゲイブリエルが立ち上げたワールド・ミュージック・フェスティバル)最大の想い出、イラン南部のペルシャ湾岸都市に伝わる音楽を継承しているというEnsemble ShanbehzadehのスタジオREC盤が新譜として出ていた。(CDのアーティスト名はSaeid Shanbehzadeh)
アラビア海、インド洋を通じて昔から交易が盛んだったという経緯から、文化的にも人間的にも相当なミックス・ブラッドだということ。政治的な混乱や、軍事、宗教といった面からの緊迫感ばかりが伝わってくる同国の文化的パースペクティブのようなものが立ち上がってくる、シンプルだが奥深い、究極のエキゾティシズム。
ネイ・エ・アンバンというバグパイプみたいな楽器が奏でる彼岸感、この音はスゴい。そして最終的にトランスへ至るという舞楽…
Saeid Shanbehzadeh - Musiques Du Golfe Persique (BUDA/3017925)
というワケでやっと戻ってきました。乃木神社で「御神前につき撮影はご遠慮ください」と言われながらコソ撮りした雅楽道友会の写真(下)幽玄・夢幻ですね。
この前はプログレッシヴ・トランスに先走り興奮してか、なんやかんや御託を書いたが、やっぱコレですかね。
なまぬるい日常のしぶとい根源
お前は決して逃げない
小さな愛とウィスキイが少しだけ欲しいなら
俺の家に来い...
INU「メシ喰うな」所収「305」より抜粋
高校時代に大ファンだったINU、町田町藏(現:町田康)10代の頃の歌詩。全体はもっと辛辣だが、一瞬覗かせるギリギリの愛、このライン最高に響く。
抽象化されたメッセージに言葉の創造性が加わる時、詩は響いてくる。さらにリズム、歌、だから歌詩って本来かなり高次の表現活動ですね。
そう言えば今までで一度だけ、リキッド・ルーム新宿時代の名物イベント「7hours」でコレをDJプレイ。そういうことじゃないんだけど、そういうこともあるよな〜。瞬間の爆発照射。
スピードが命とも思われるブログに一週間前の出来事に想いを巡らすのもどうかと思いますが…
偶数月の第一土曜日(金曜日もイレギュラーであり)はAIRでのgroundrhythm。先日AIRの8周年だったので、そのオープン年から続けているこちらも8歳になる。いろいろと大変な時期もあったが、何とか続けさせて頂いている。10月3日も多くの方に遊びに来て頂き、熱い夜を彩り過ごすことが出来て感謝します。
クラブやDJ、パーティーに関する言説には"Don't think, feel"とブルース・リー的に距離を置いてきたつもりだが、このAIRでのgroundrhythmを隔月で年6回、やっていると毎回あれこれと考えさせられることが多い。もちろん良い意味で。
クラブDJを箱のレギュラーとして始めたのが93年頃、今はもうないが青山にあった真空管といういわゆる小箱クラブで、それも平日火曜日とか木曜日を帯で毎週、やっていた。DJプレイ・スタイルは今と違ってレア・グルーヴ、ジャズ的なものだったが、お客さんのスタンスは箱に遊びに来ているのでDJが誰とかほぼ関係ない、つまり箱の営業と自身の表現欲求みたいなものの接点に常に立っている感じ。
その当時とは比べようもないし、今では多くのファンの方々にも足を運んでもらってるが、AIRでやっている実感は、DJがアーティストのような立ち位置を確立している今のご時世においても、どちらかと言うとそっちに近い。
これはどういう在り方が良いか悪いか、ということをトピックとしているのでは全くないが、それ以前に本質的な問いかけを孕んでいることに気付く。つまりクラブDJとはそもそも何なのかと。これに対するひとつの答えは今となっては無い。答えが無いということが、その多様性や再帰的現状を物語っている。
カオスの矢面に立つ、これほどスリリングなことはそうそう無い。気にすることと言えばもはや瞬間に対する感応力、エネルギーの交感といったスピリチュアルめいたこと、時間をいかに濃密に編み上げることが出来るのか。自分で言うのはこそばゆいが、アーティストとしていかに利他的に振る舞えるのか。それらをトランス寸前の運動として実行出来るのか?
長くなるのでまた今度にします。今宵はageHaのウォーターバーにて、アリーナはプログレッシヴ・トランスの雄Son Kiteがメイン。それにしてもプログレッシヴ・トランスというジャンル名はスゴい。全てを超克しているような…
2009.10.11.Sun
Mother presents UNIVERSAL SOUNDS OF ORCHESTRA
@ ageHa
LIVE: SON KITE, THE DELTA
DJ: TAKKYU ISHINO and more
WATER BAR : Kaoru Inoue, NUMANOID a.k.a.DJ Tsuyoshi
2009.10.10.Sat
KURA presents "Raid Channel" @ 高崎Club Fleez
DJ:
田中フミヤ、Dex Pistols、DJ Hico、DJ Senorina、井上薫 and more
2009.10.9.Fri
Solution @ 新潟Japonais
コンピレーション、リリースされました。自身含めFS参加者や関連アーティストの楽曲が収録されています。
『Freedom Sunset 2009』
参加した人全てが至福のサウンドスケープと絶賛する湘南を代表するビッグパーティーの出演アーティストによるコンピレーションシリーズ第3弾「Freedom Sunset 2009」のリリースが遂に決定!!湘南の潮騒と夕陽を感じさせるサウンドスケープは優しく、光り輝くそしてどこか切ない夏の思い出を詰め込んだ極上のメロウネスサウンド。バレアリックな雰囲気の漂うサンセットチルアウトの決定版。
何と!?、初回プレスには湘南の思い出を詰め込んだ貝殻入りのスペシャルパッケージ仕様!
おなじみのDJ陣CALM、KAORU INOUE、KENSEIに加え、KOMPAKT他、世界的に活躍するHIROSHI WATANABE。HARUKA NAKAMURAとgo hiyama(LiSM)×dj funnelの3人によるユニットLito。mix CD「house nation conductor-YUMMY」をリリースした、YUMMYの別名儀maintaico。Joe Claussellも絶賛するJoiの傑作メロウ・ディープ・ハウス。元祖バレアリックサウンドsugar plant。FSで毎回大活躍のSINSUKE FUJIEDA他を収録。
Common Ground / CGRCD-1007
Release Date : 2009.10.7
Price : 2,000yen (Tax In)
http://www.commonground.jp
http://www.myspace.com/freedomsunset
久々のアルバム制作終了の目処、と共に夏が終わり、ほうけているうちに早ひと月。遅ればせながら私の夏の総括ということで、今夏最も印象深かった潮流について記します。
かなり今更ながら奄美皆既日食音楽祭、今ではのりピーもそこに居た、というくらいにしか人々の記憶にとどまっていないかもしれないが、皆既日食の前夜、いわゆるレイヴ・カルチャーの日本的原風景とでも言うべき圧倒的な光景が現出していた。
メンバー総勢180名近くで行われた、ゆったりとした島踊り、八月踊りの後に「奄美いっちゃりょん会」によって演奏された六調(奄美諸島の舞曲)にあらゆる世代・人種が巻き込まれぐるぐる踊っている。このbpmでノンストップ。無礼講、ええじゃないか的アナーキー。明らかに音楽祭のハイライトだった。
この興奮を帰って来てから友人に話したところ、やはりそれは黒潮のワイルドな流れを模した、その潮流が生んだ黒潮文化とでも言うべきものではないか。という話に発展し、そこからひと月後に控えた、東京でも継承・発展されている阿波踊りへと接続。
初めて観に行った高円寺阿波踊りはもはや黒潮の潮騒が沸点を超え、ブラジルのバイーアあたりと同時多発祭りを開催しているような…激しい。
それで驚いたのが、重低音を担当してる大太鼓系がスゴいタイミングで音を抜きます。ハット系の鉦はビートをキープ。アイソレーターでダンスフロアを盛り上げてく感じを組織的にやっている。踊りは止まらない、踊り子はみな恍惚の笑顔。
伝統がかくも鮮やかに継承され、現在進行形として提示されているのが素晴らしい。こうした潮流が10年代の日本社会に何らかの影響力を持ってコミットメントしていったら面白いですね。
というわけで久々にyoutubeを見ていたら、20年ほど前に錦糸町に観に行った
河内音頭に辿り着いた。ビートがスウィングしたりシンコペートしたり、8ビートっぽくなったり、変幻自在。
ところで皆既日食自体はどうだったのか。ご存知の通り奄美大島北端では曇っていて見えない日蝕「The Invisible Eclipse」
陰りが、見えない。意味深でした。ちなみに世界の様々な先住民の間では、日蝕は見てはいけない不吉なもの、との言い伝えが多いそうです。